怒らない人って、なんで怒らないんですか?
イライラして、ついつい怒鳴ってしまうことがあると思います。
怒りやすい人と怒らない人の違いはどこから生じるのでしょうか?
その違いは、自分に目を向けているか、自分以外に目を向けているかの違いです。
相手に対する「それくらいわかってくれよ!」という期待。
「何度も言ってるだろ!」という期待。
自分が期待した結果と違った時、自分が思った通りじゃなかった時、怒りっぽい人はすぐ感情的になります。
喜怒哀楽というのは、心の反応なので怒るという感情があるのは当然です。
怒らない人は怒らないように見えるだけという場合もあります。
感情は怒っているけど、にこやかに優しい言葉で丁寧に伝える。
そういうことが出来る人もいます。
「怒りっぽい自分」を自覚しているなら、半分くらい解決しているようなものです。
そんな自分を変えたいという意識がある限り、希望があるからです。
ただ怒鳴り散らしている人は、大声を出したりすることで空気を悪くしているとか、迷惑をかけているという自覚さえない場合が多いんです。
自分を省みる意識があるかどうかが大きな違いです。
その思考パターンの違いはどこから生じるのか?
子供の頃の家族との関わりが深く影響する
父親か母親、または祖父母の誰かがすぐ怒るタイプだと、そこで育った子は怒りっぽいかもしれません。
父親か祖父が権限を持っていて、その人がすぐ怒る人だった場合、誰も口出しが出来なくなります。
口出しすると、さらに厄介なことになります。
家は安らぎの場所であって欲しいですからね。
子供は無意識にそんなコミュニケーションを見て、大声で怒鳴れば一番簡単に他の人は言うことを聞くんだと学んでいきます。
そのパターンが、無意識的に思考のクセになって、怒りやすい人になることは自然なことと考えられます。
気に入らないことが起きる→怒る→(表面的に)解決
怒る人を間近で見ていると、このパターンが一番多い気がします。
しかしこれは、よくよく考えると赤ちゃんのやり口となんら変わりありません。
・腹が減る→鳴く→ご飯を与えてもらえる
・ウンチして不快だ→鳴く→オムツを変えてもらう
こういう赤ちゃんがやるコミュニケーションのまま大人になった人は、対人関係でトラブルを招きがちです。
自分の親がやっていたように…。
まともな大人なら、気に入らないことや思い通りにならないことは、話し合いで解決するものです。
自尊心が低い
子供が言うことを聞かない、1時間前に言ったことを忘れている。
そういったことが合った時、なめられている・馬鹿にされているように感じると、怒りが生じます。
他人は(自分の子供であっても)、自分の思い通りに動く方が異常です。
一人一人が自我や意思を持った個別の人間です。
しかし、自尊心が低いと他人が価値観が違ったり、意見が違うということを認めづらくなります。
相手が自分の言うことを聞いてくれたり、自分の意見を受け入れてくれることで、自分が承認され、満たされていない自尊心を埋めることの方が優先順位が高いからです。
自尊心が低いと、傷つきやすくなります。
意見が違うことで自分の存在全体が否定されているような気分になったり、同調してくれない人を敵とみなしたり。
そうやって、悪循環を起こしている結果、怒りやすくなってしまうんです。
誰だって、時間がないとか、お金がない時には、人にやさしく出来ないものです。
自尊心が低いということは、常に余裕がない状態と同じです。
だから、傷つきやすい。
結果、怒って攻撃に転じることで自分を守るという手段を取らざるを得ないという面もあります。
本当の原因を探る
問題が起きた時、絵に見えている表面的な原因ではなく、根源にある本当の原因を探ることは大事です。
有名なのがトヨタの「5回のなぜ」です。
1つの問題に対し、5回「なぜ?」「なぜ?」「なぜ?」「なぜ?」「なぜ?」と深掘りして、失敗の本質を探るのが目的です。
僕たちは5回までいかなくても、相手を責める前に、最低1回は目の前で起こった問題について「なぜ?」と考えたいところです。
仕事で凡ミスをする後輩がいた場合
仕事で凡ミスが多い後輩がいたとします。
「なぜ凡ミスをしてしまうのか?」を考える。
「仕事の手順やマニュアルを、そもそも理解していない、あるいは覚え間違いをしているのではないか?」と考える。
そうすれば、一度、その後輩に確認することが出来ますよね?
「頼んだ事が上手く伝わっていないんじゃいないか?」と考える。
後輩に全く伝わっていなかった場合、自分の伝え方に問題があるかもしれないですよね?
「仕事のノルマや納期に追われ、焦っていることがミスに繋がっているんじゃないか?」と考える。
後輩の仕事を少し肩代わりして、後輩に心の余裕を持たせる工夫が出来ますよね?
「最初はノルマなんか気にせず、スピードより確実性の方が大事だから。慣れれば勝手にスピードはついてくるよ。」とアドバイスすることも出来ます。
「寝不足なんじゃないか?」と考える。
寝不足の原因は、残業が多すぎるせいではないか?という推測になり、社員全体の働き方について考えるきっかけにもなりますよね?
こんな風に、相手を責める前に、「結果的にそうなってしまう原因は何なんだろう?」と考えることが出来ます。
子供が何度言ってもご飯をこぼす場合
子供というのは、出来ないことが多い分、大人のイライラの対象になることも少なくありません。
子供がご飯をこぼす原因はどこにあるのか?
・まだ箸を思い通りに扱えない
・茶碗や皿の上で食べていない
・椅子が高すぎるor低すぎる
・机が高すぎるor低すぎる
・大皿からおかずを取る時に、小皿を近づけない
ざっと考えただけでこれだけあるので、もっと深く考えればもっと出てくるかもしれません。
子供がわざとやっているのでなければ、身についていないか、理解していないかのどちらかでしょう。
子供の場合は、大人と違ってまだまだ脳も身体も未発達です。
当然、理解度も大人よりは劣ってしまうものです。
だから、根気も必要なので大変です。
怒鳴って行動を正すというのは、短期的には効果があるように見えます。
しかし、本人が「なぜそうしないといけないのか?」を理解していない限り、長期的には何も効果がありません。
言われたからやるという、将来の指示待ち人間予備軍を作り出しているに過ぎません。
怒鳴って相手の行動パターンを変え、一見従っているように見えても、心の中では反発心が芽生えます。
そうなると、将来的にいい関係を築くのが困難になります。
時には叱らないといけないこともありますが、ただ感情的に叱ることしかできないのは、とてももったいないことです。
まとめ
すぐ怒る人と怒らない人の違いは、自分側に改善できる点がないかと自分を省みることが出来るかどうかです。
表面的には相手に原因があるように見えても、根本の原因は自分が作っていたという場合もあります。
全面的に相手が悪いと責める前に、「ちょっと待てよ?」と自分を省みることが出来れば、精神的に少し大人になれる気がしませんか?
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